『ブラフマンの埋葬』小川洋子 講談社文庫
心地よい切なさに酔う
動物好きである。犬でも猫でも街で見かけると、つい声をかけたくなる。かなり怪しいおじさんである。動物は愛おしい。しかし、どんなに愛しても、彼らは彼らの世界に生きている。言葉の通じないもどかしさ、切なさ。物語の主人公は不思議な小動物と出会い、ブラフマン、サンスクリット語で「謎」という名をつけた。ブラフマンの描写の愛くるしさにページを繰り続ける。やがてブラフマンの死によって再び孤独感を味わうことになるのだが、それは古いフランス映画を見たような優美な孤独感だった。(吉上恭太/サウダージな夜@古書ほうろう)
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