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奮闘日記 (2002/10/17)
★旧著発掘★
『白い犬とワルツを』(新潮文庫、テリー・ケイ)の大ヒット以来、出たばかりの新刊ではなく、 「コレは良い!」と思った本を掘り起こしてきて売っていこうという流れが起こっているように思います。
売る人は、入荷してくる本をただ機械のように並べることに疲れ果てているけれども、自分の思い入れがある本を(お客さんの重荷にならない程度に)ちょっと贔屓してやり、「一冊くらいは売れたかな」などと毎朝少しだけ期待をしたり裏切られたり。
作る人は、苦労してひねり出してやっとの思いで配本した新刊がしばらくしてどーっと返ってきて、その分取次にお金を返すかわりに別の新刊を作って納めるという毎日に、やはり疲れ果てて、無理矢理新しい本を作るより昔売れてたあの本にもう一度スポットライトを、という感じでしょうか(わたしは作る人ではないのでこれは想像ですが)。
いずれにしても、あまりに早い車輪の回転を緩めて、「その本」について語る人が現れ、それを聞く人たちが出入りする場ができることは、歓迎すべきことです。往来堂もそんな場所になりたいと思いますが、まだまだですなぁ。
わたしがこんなスローな気分になっているにもかかわらず時代は違う方向に動いています。日本で出版される本の種類は未だに増え続けているそうです。売れた金額は何年も続けて減っているのにです。売れない分は種類でカバーというわけです。
もしそのサイクルを止めたり、ペースが落ちたりすればそこでアウトです、倒産です。これは『スピード』か、『新幹線大爆破』か、いやもっと良い本が店にある。その名も『死のロングウォーク』(扶桑社文庫、スティーブン・キング)。一本道を歩き続けられなくなった人には死が待っているという怖ろしい話。これがいま本でメシを食っている人の必読書。ちなみにこの本は新刊ではありません。
●千駄木・往来堂書店
●笈入 建志(おいり けんじ)
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