本をかかえて 森田華子 1999/12/03更新
こんにちは。皓星社の森田華子です。今年の3月から働いています。その前は、学生でした。小社で営業として働き始めて、8ヶ月が経ちました。日々、日本海の荒波を前にしたラ・マンチャの男(女?)といった心持で書店を回っています。(そんな颯爽としたものでもないか。)最近、『南天堂 松岡虎王麿の大正・昭和』という本を小社から出版し、それが縁で安藤店長とお知り合いになりました。この新刊は、往来堂さんのおすすめ本に取り上げていただいている果報者で、その他「サライ」「太陽」にも書評が載っています。大正時代に実際にあった1階は書店、2階はカフェーという伝説の南天堂。アナキスト、ダダイスト、若き芸術家たちが夜毎集い、それはそれはカッコ良い場所だったそうです。林芙美子氏の「放浪記」にも登場しています。自己紹介なのに営業をしてしまった……。今後とも皓星社共々どうぞよろしくお願いします。HomePage:皓星社
#002(2000.03.06)
最近のミーハー読書状況などをご報告いたします。
年明け一番に読んだのはポール.オースターの『リヴァイアサン』です。最初はペーパーブックを読んでいたのですが、78ページをほぼ1ヵ月かけているあいだに翻訳が出てしまい、誘惑に打ち勝つことができず安きに流れてしまいました。いやぁ、実に読みごたえがありました。アナキズムはああいう人の手にかかるとかなり魅力的というか、他にどうしようもなくて行き着いてしまうところのように感じられますね。まぁ、アナキズム=テロリズムという図式が少し感じられないでもないような………。
というわけで、おじいさんがアナキストだったというルイス・セプルベダの『パタゴニア・エキスプレス』に手がのびました。幼き頃のおじいさんとの思い出(洗脳か!?)に加え、彼がパタゴニアを訪れた際に出会った忘れ得ぬ人々のことを書いた本で、実に旅に出たくなる1冊でした。これがまたあまりに味のある吾人ばかりが登場し、ついホロリとさせられました。たった一度の人生で、数回しか出会うことがなくても心を通わせることができる人というのは得難いものです。モンゴルでお世話になった人々は元気にしているかしら? などと学生の頃の自由さ加減を懐かしみつつ、観にいってしまいました『ブエナ・ビスタ・ソシアルクラブ』。
いやぁ参りました。じいさま達のかっこいいこと。コンパイ・セグンドなんて6人めの子どもが欲しいとか…。「おれは今でも現役さ」と言い放った彼はとてもすがすがしく、世の男性諸氏の憧れの的となること間違いなしですね。
ラテンのすごさってああいうところにあるのだろうか。洒脱とでもいいましょうか、ちゃめっ気ですね。
なんだか全体的にラテンとアナーキーに憧れるミーハー版元営業といった感は拭えませんが、突然古典を恋しく思い、久しぶりに幸田文氏の『きもの』を手に取りました。大体、1年に3回は読み返している超愛読書(こんな言葉はあるのだろうか?)なのですが、やはり美しい日本語は胸に響きますね。自分が歳を重ねるごとに胸を打つ場面が変わってゆくのです。だれでも皆そういう格別な思い入れを持った本というのがあるのでしょうね。憧れている人や、大好きな人、両親、おじいさん、おばあさんなど自分が大切に想う人の格別本を始めて開く時のドキドキ感は何ものにも替えがたいものです。やっぱり本はいいものです。
安藤店長の超愛読書は一体どんな本なのでしょうか? お嬢さんの好きな本なのだろうか?気になります。では、また。
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