アンナ・カヴァン『氷』

アンナ・カヴァン『氷』という字面を見て、その文字の並びに惹かれて読みはじめた本で、どのような話なのか、アンナ・カヴァンとはどういう作家なのか何も知らず、この小説の持つミステリアスな魅力も相まってどんどんとのめり込むように読みました。ㅤ主な登場人物は三人で、私と少女と長官。誰一人として名前を与えられていません。この三人はどういう関係なのか、そして物語を侵食してゆく氷とは何なのか。この小説は、語られないことが多く、それがかえって現実味を引き出しているように思います。ㅤさらに、少女はあまりにも"かよわい少女"として描かれているし、長官はあまりにも"絶対的権力を持つ男"として描かれています。この誇張ともいえるほどの表現について、アンナ・カヴァンはどのような意識で書いていたのか、私はとても気になりました。ㅤ唯一無二の小説と評されていますが、その通りだと思います。カヴァンの描写によって、見たことのない冷たい世界へ連れ去られます。(いぬ)ㅤ『氷』アンナ・カヴァン・著山田和子・訳ちくま文庫・刊900円+税#ohraido
アンナ・カヴァン『氷』という字面を見て、その文字の並びに惹かれて読みはじめた本で、
どのような話なのか、アンナ・カヴァンとはどういう作家なのか何も知らず、この小説の持つミステリアスな魅力も相まってどんどんとのめり込むように読みました。

主な登場人物は三人で、私と少女と長官。誰一人として名前を与えられていません。
この三人はどういう関係なのか、そして物語を侵食してゆく氷とは何なのか。
この小説は、語られないことが多く、それがかえって現実味を引き出しているように思います。

さらに、少女はあまりにも”かよわい少女”として描かれているし、長官はあまりにも”絶対的権力を持つ男”として描かれています。
この誇張ともいえるほどの表現について、アンナ・カヴァンはどのような意識で書いていたのか、私はとても気になりました。

唯一無二の小説と評されていますが、その通りだと思います。
カヴァンの描写によって、見たことのない冷たい世界へ連れ去られます。(いぬ)

『氷』
アンナ・カヴァン・著
山田和子・訳
ちくま文庫・刊
900円+税

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