永遠になった、家族の時間


家族の時間

「うらら」、おねえちゃま、ヒゲのお父さん(絵がうまい)、お母さんの4人家族の、どこにでもあるような日常の記録。
どこにでもあるようなということは、つまり、この本を読んでいる自分にも似たような経験をしているということで、だからこそ、自分の記憶のある部分が鮮明に蘇ってきたりして、ページをめくる手がとめられなくなる。

でも、なぜ、お父さんが絵日記を書いているのか?
じつは「うらら」さんは生まれつき難聴で、でも手話でコミュニケーションするのではなく、補聴器と唇を読むことで目の前のひとと会話することを目指す「聾話学校」に0歳のときから通っていた。日記はその時の題材として、家庭から絵日記を提出することになっており、きのう家族とともに体験したことをもとに勉強すればたとえば「そうか、昨日お父さんとお手紙を出しに行ったのはポストか、それは、〈ポスト〉っていう名前で、口や舌はこうやって動かしてあらわすのか」という訓練をしたのだろうと思います(違っていたらすみません)。

偶然だが、お父さんは画家であり、美大の先生でもある。ペンでサラサラと描いた家族の情景や表情は本当に素晴らしい。

ありふれた、でも、もう手の届かない、大切な時間がそこに定着している。
本に収められた日記は小学校へ上がるまえの2年ほどの間のもの。そのあと、地元の小学校へ進む。

うららさんは現在「今井麗」さんとして、やはり画家として活躍されている。『かなわない』(植本一子:著 タバブックス:刊)のカバーのトーストを描いた作品を覚えている方も多いだろう。

『宿題の絵日記帳』
今井信吾:著
リトルモア:刊
1600円+税




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