『ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち』

トランプ大統領を支持したのはどんなひとたち? 日本人はもちろん、アメリカの支配層も解っていなかった。国内に大きな分断があるのは日本も同じではないかと思います。#book #ohraido #トランプ
アメリカの分断、格差社会、国内産業の衰退、地域社会の荒廃、蔓延するアル中とドラッグ・・・・
アメリカの繁栄から取り残された白人たちが、どのような世界に生きているのか。
日本人はもちろん、アメリカの支配層も解っていなかった。
それが分かる本として、アメリカでベストセラーになっているそうです。

が!

そういうことよりも、僕には著者自身のある意味「どうしようもない」「ろくでもない」家族、一族、故郷に対する
アンビバレントな感情がとても印象に残りました。

「トランプ大統領を支持した層」という抽象的なイメージではなく、
道徳心と現実のギャップに悩み(またはそれから目をそむけ)、
ものすごく家族思いで(自分の家族をとやかくいう奴は絶対に許さない!)、
誰よりも自分とその家族の幸せと成功を望み、
またそれをアメリカという国は可能にしてくれると信じていた
著者の一族の姿が生々しく描かれています。

そして彼らが「アメリカという国」を信じることができなくなってきた時に
現在の大統領が「アメリカを再び偉大な国に」というスローガンとともに現れたのでしょう。

国内に大きな分断があるのは日本も同じではないかと思います。
地方から中央(東京)への屈折した感情。
地方から東京へ出てきたひとの、故郷(の人たち)への複雑な感情。
発電所の問題から見えてくる分断や、上京したいともはや思わない若者層の存在など
連想される問題は日本にもたくさんありそうです。

でも、繰り返しますが、僕の一番の印象は著者の家族への愛憎半ばした感情。
父さんはいつだって強くて優しく、母さんは美しく賢い、子供たちは素直で、明日は素晴らしい。
そんな『大きな森の小さな家』(ローラ・インガルス・ワイルダー、舞台はウィスコンシン州で、現在のラスト・ベルトにもかかる)の世界から
アメリカはどこまで来てしまったのか。
でも、自分の家族の幸せを願う強い気持ちは、変わってはいないとも思うのです。(笈)

『ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち』
J.D.ヴァンス著/関根光宏・山田文訳
光文社
1800円+税



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