鳴海風『和算の侍』新潮文庫

鳴海風『和算の侍』新潮文庫#book#谷根千#文庫#文庫本 #往来堂#千駄木
数学というとなんとなく明治以降、近代科学とともに輸入してきたもののように感じるが、江戸時代には数学(和算)を楽しむ人が全国津々浦々に結構いたらしい。とはいえ、その先駆者たる関孝和は教科書にも出てくるので名前くらいは知ってるものの、その他の人たちのことについてはほとんど聞いたことが無い。

だから十三歳で関孝和の門をたたき、四十年の歳月を費やして円周率四十二桁を正確に計算したばかりか、師匠さえもなし得なかった円周率の公式を導き出した侍の存在にはただただ驚かされる。

江戸時代の人たちは、伊能忠敬にしても、芭蕉や北斎にしても、気の遠くなるような地道な努力の積み重ねでその道を極め、しかも鎖国下にあって近代ヨーロッパにも負けないくらいの立派な業績を残している。それは当時の人たちの頭脳が我々の想像以上に洗練され、またそういう「場」もきちんと構築されていたことが、この本を読めばわかってくる。

他にも
「初夢」…天才数学者、久留島義太
「空出」…大名数学者、有馬頼徸
「算子塚」…関流に挑んで、数学論争、会田安明
「風狂算法」…孤高の遊歴算家、山口和
「八尾の廻り盆」…偉題継承に終止符を打った男、石黒信由
(目次より)

数学に人生をかけた和算家たちの様々な人間模様が、小説のかたちで味わえるのがまた嬉しい。



お取り置きフォームへ

お取り置きが出来ましたら、こちらからご連絡差し上げます。
タイミング悪く在庫切れとなりました際はご容赦ください。次回の入荷予定の有無も含めまして、こちらからご連絡差し上げます

カテゴリ: 本の紹介

往来堂書店

最近のお知らせ