昭和の犬

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「昭和の犬」 姫野カオルコ

昭和33年生まれの主人公、柏木イクの、5歳から49歳までの半生物語。
滋賀の田舎、強烈な実父母の、奇天烈で理不尽な要求と詰りの元で、何も言えずに「小さき祈り」の画に祈りを捧げ育つイク。東京に進学することで両親から遠ざかるが、地味で恋愛も輝く瞬間もないままに淡々と過ぎ、親の介護を迎える。
イクが心を開く相手は、いつの時代も傍らにいた犬(時に猫)たち。犬に触れる時、イクの心には明かりが灯る。

恵まれているとは言いがたいイクの半生。けれど関わった犬達を思い浮かべながら遠景で人生を眺めることで、すべてを穏やかに肯定する境地に至る。
犬のマロンを撫でながらイクが叫ぶ言葉には、目頭が熱くなり。。。

{カルミン・トムとジェリー・トタン塀の駐輪場・白いギター・・・東京畜犬のCM・・・}、
同世代には懐かしい風景が広がることでしょう。

様々な事情の家庭が混在する激動の高度成長期。犬の飼い方も価値観も、人と犬との関係性も、今とは違う様子が印象的に描かれ、著者の個性・筆力に圧倒される傑作。

エッセイ風「近所の犬」も(犬ウォッチング小説)、素晴らしい作品。併せてぜひ!(長)




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カテゴリ: 本の紹介,いぬ部

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