9月後半発売の新刊のうち、往来堂が注目したもの(その1)です。
注文はしていますが、一部発売日に間に合わないものもあるかもしれません。
お取り置き希望の方はタイトルをコピペしてメール maido@ohraido.com までどうぞ。
『横尾忠則 創作の秘宝日記』
ISBNコード:9784163912561 発売元出版社:文藝春秋 判型:46 ページ数:696ページ 定価:2,700円(本体)発売予定日:2020年09月30日
美アートは肉体だ! 84歳にして旺盛な創作を行う「全身芸術家」の濃密な日常.
大病にも負けず、自粛にも負けず、飼い猫のことを心配し、夢と現実のあわいを往還しながら、休むことなく書かれた1498日の記録.
本書に登場する主な人々(夢も含む)–
オノ・ヨーコ、岡田准一、香取慎吾、細野晴臣、糸井重里、瀬戸内寂聴、保坂和志、山田詠美、平野啓一郎、小澤征爾、山田洋次、黒澤明、石原裕次郎、谷崎潤一郎、三島由紀夫、デヴィッド・ボウイ……
〈人間は未完で生まれて、未完で生きて、未完で死ぬ。それで結構〉
『真鍋博の世界』
監修:愛媛県美術館
ISBNコード:9784756254061 出版社:パイ インターナショナル 判型:B5 ページ数:260ページ 予価:3,600円(本体) 発売予定日:2020年09月18日
その人はイラストの力を信じ、未来を信じた。
イラストレーター・エッセイストとして活躍した真鍋博21世紀初の作品集。初期の油彩から広告・装幀まで……。世紀を越え、後世に残したい作品を多数収録します。谷川俊太郎の寄稿、林明子インタビューも掲載。
愛媛県美術館「没後20年 真鍋博2020」展 公式図録兼書籍
『鏡影劇場 』
著:逢坂 剛
ISBNコード:9784103649076 出版社:新潮社 判型:46変形 ページ数:688ページ 定価:3,000円(本体) 発売予定日:2020年09月18日
文豪ホフマンにまつわる謎めいた古文書。そこから浮上する奇妙な因縁。迷宮に誘うビブリオ・ミステリー巨編! マドリードの古本屋で手に入れた古楽譜の裏には、十九世紀の文豪ホフマンの行動が事細かに綴られていた。筆者不明の報告書の解読を進めるうちに、現代の日本にまで繫がる奇妙な因縁が浮かび上がる。二重三重の仕掛けが読者を迷宮に誘う、これは逢坂版『薔薇の名前』か? 渾身の大作一五〇〇枚、結末部分は袋綴じ仕様!
『自転しながら公転する』
著:山本 文緒
ISBNコード:9784103080121 出版社:新潮社 ページ数:480ページ 定価:1,800円(本体)発売予定日:2020年09月28日
結婚、仕事、親の介護、全部やらなきゃダメですか? 答えのない問いを生きる私たちのための傑作長篇。東京のアパレルで働いていた都は母親の看病のため茨城の実家に戻り、アウトレットのショップで店員として働き始めるが、職場ではセクハラなど問題続出、実家では両親共に体調を崩してしまい……。恋愛、家族の世話、そのうえ仕事もがんばるなんて、そんなこと無理! ぐるぐる思い惑う都の人生の選択から目が離せない、共感度100%小説。
『暗闇にレンズ 』
著:高山 羽根子
ISBNコード:9784488028121 発行元出版社:東京創元社 判型:46 ページ数:368ページ 定価:1,700円(本体)発売予定日:2020年09月30日
高校生の「わたし」は親友の「彼女」と監視カメラだらけの街を歩き、携帯端末の小さなレンズをかざして世界を切り取る。かつて「わたし」の母や、祖母や、曾祖母たちがしてきたのと同じように。そうして切り取られた世界の一部は、あるときには教育や娯楽のために、またあるときには兵器として戦争や紛争、弾圧のために用いられた――映画と映像にまつわる壮大な偽史と、時代に翻弄されつつもレンズをのぞき続けた”一族”の物語。
『われもまた天に 』
著:古井 由吉
ISBNコード:9784103535614 出版社:新潮社 判型:46 ページ数:280ページ 定価:2,400円(本体)発売予定日:2020年09月28日
自分が何処の何者であるかは、先祖たちに起こった厄災を我身内に負うことではないのか。インフルエンザの流行下、幾度目かの入院。雛の節句にあった厄災の記憶。改元の初夏、山で危ない道を渡った若かりし日が甦る。梅雨さなか、次兄の訃報に去来する亡き母と父。そして術後の30年前と同じく並木路をめぐった数日後、またも病院のベッドにいた。未完の「遺稿」収録。現代日本文学をはるかに照らす作家、最後の小説集。
『ソーンダイク博士短編全集 歌う骨 』
著:リチャード・オースティン・フリーマン
翻訳:渕上痩平
ISBNコード:9784336066749 出版社:国書刊行会 判型:46変形 ページ数:576ページ 予価:3,600円(本体) 発売予定日:2020年09月25日
ジョン・ソーンダイク博士は、20世紀初めに数多登場したシャーロック・ホームズのライヴァルたちの中でも最も人気を博した名探偵である。当時最新の科学知識を犯罪捜査に導入、顕微鏡をはじめ様々な実験器具を用いて証拠を調べ、事件の真相をあばいていく法医学者ソーンダイクの活躍は読者の喝采を浴びた。また短篇集『歌う骨』では、最初に犯人の視点から犯行を描き、次に探偵が手がかりを収集して謎を論理的に解き明かす過程を描く「倒叙ミステリ」形式を発明した。真相解明の推理のロジックに重きを置いた作風は、現在も高く評価されている。本全集は、ソーンダイク博士シリーズの中短篇42作を全3巻に集成、初出誌から挿絵や図版を収録し、完全新訳で贈る、探偵小説ファン待望の決定版全集である。
第1巻は、「アルミニウムの短剣」他の有名作を含む記念すべき第一短篇集『ジョン・ソーンダイクの事件記録』(1909)と、倒叙形式の発明でミステリ史における里程標的短篇集『歌う骨』(1912)に、作者自身による名探偵紹介「ソーンダイク博士をご紹介」を収録。
『澁澤龍彦 泉鏡花セレクション 雨談集 完』
著:泉鏡花
編集:澁澤龍彦
解説:山尾悠子
ISBNコード:9784336065483 出版社:国書刊行会 判型:菊 ページ数:501ページ 予価:8,800円(本体) 発売予定日:2020年09月25日
澁澤龍彦生前に企画されながらも実現を見ずに終った幻の選集が、半世紀の歳月を経てついに刊行。
最終第4巻は高野聖、天守物語、通夜物語、活人形、式部小路、化鳥、処方秘箋、山僧、絵本の春、祝杯、全10篇を収める。三島由紀夫と澁澤の伝説の対談「鏡花の魅力」も収録。全巻ついに完結。
『彼女の名前は 』
著:チョ ナムジュ
翻訳:小山内 園子
翻訳:すんみ
ISBNコード:9784480832153 出版社:筑摩書房 判型:46 ページ数:240ページ 定価:1,600円(本体) 発売予定日:2020年09月23日
韓国で130万部、映画化された『82年生まれ、キム・ジヨン』著者の次作短編集。「次の人」のために立ち上がる女性たち。解説=成川彩 帯文=伊藤詩織、王谷晶
『ネヴァー・ゲーム 』
著:ジェフリー・ディーヴァー
翻訳:池田 真紀子
SBNコード:9784163912691 出版社:文藝春秋 判型:46 ページ数:432ページ 定価:2,500円(本体) 発売予定日:2020年09月25日
『ワカタケル 』
著:池澤 夏樹
ISBNコード:9784532171582 出版社:日経BP 日本経済新聞出版本部 判型:46 ページ数:432ページ 予価:2,000円(本体) 発売予定日:2020年09月22日
『古事記』現代語訳から6年、待望の小説が紡がれた!
神話から歴史へのあわいの時代に
森羅万象を纏った、若く猛る大王が出現した
暴君であると同時に、偉大な国家建設者。
実在した天皇とされる21代雄略の御代は、形のないものが、形あるものに変わった時代。
私たち日本人の心性は、このころ始まった。
時代の転換点の今こそ、読まれるべき傑作長編! !
時は5世紀、言葉は鳥や獣、草木たちにも通じていた。歯向かう豪族たちや魑魅魍魎を力でねじふせ、國を束ねるワカタケル大王(雄略天皇)。樹々の合間から神が囁き、女たちは夢の予言で荒ぶる王を制御する。書き言葉の用意のない時代、思いを伝える歌と不思議な伝説、そして残された古墳の遺物や中国の史書……。作家は言葉の魂に揺さぶりをかけ、古代から現在に繋がる、「日本語」という文体の根幹に接近する――
令和改元をまたいで日経新聞朝刊に連載された小説がさらにパワーアップして単行本化。
『炉辺の風おと』
著:梨木香歩
ISBNコード:9784620326504 出版社:毎日新聞出版 判型:46 ページ数:296ページ 定価:1,600円(本体) 発売予定日:2020年09月19日
八ケ岳の山小屋に籠もり思い巡らす、自然との共生、日常の偉大さ、コロナ後の世界…心身の真芯に響く美しい文章で思索を誘う希有なエッセー。
『女ともだち 靜代に捧ぐ』
著:早川 義夫
ISBNコード:9784480815552 出版社:筑摩書房 判型:46 ページ数:216ページ 定価:1,500円(本体) 発売予定日:2020年09月19日
ある日から音楽活動も執筆も全てやめた。妻の病気が判明したから。『たましいの場所』の著者が妻に贈る鎮魂エッセイ。渾身の書下ろし。帯文=宮藤官九郎、神藏美子
『しりあがり寿の死後の世界 』
著:しりあがり寿
ISBNコード:9784777821570 出版社:辰巳出版 判型:A5 ページ数:192ページ 予価:1,400円(本体) 発売予定日:2020年09月19日
生と死を見つめ続ける巨匠・しりあがり寿が古今東西の宗教などをもとに、独自の世界観で描く「死後の世界」。
しりあがりワールド満載で、知的好奇心もくすぐられる、ファンならずとも手にしてほしい意欲作!
『しっぽがない 』
著・文・その他:小沼純一
イラスト:森泉岳土
ISBNコード:9784791773015 出版社:青土社 判型:B6 ページ数:64ページ 予価:1,600円(本体) 発売予定日:2020年09月23日
犬とのさり気ない日常を超えた無音の和音が聞こえてくる。――谷川俊太郎
「生きてるときに生きてて、何か感じたり、ほかの生きものに感じられたりして、どれがどう入れかわっても、おなじだ、って」。変わりゆくもの、簡単には変わらないもの。ぼくと妹の紗枝、そして犬の「マル」たちをめぐる、家族と記憶の物語。
『恋する少年十字軍 』
著:早助 よう子
ISBNコード:9784309029078 出版社:河出書房新社 判型:46変形 ページ数:256ページ 予価:1,700円(本体) 発売予定日:2020年09月24日
『今も未来も変わらない 』
著:長嶋 有
ISBNコード:9784120053351 出版社:中央公論新社 判型:46 ページ数:248ページ 定価:1,500円(本体) 発売予定日:2020年09月23日
星子は40代のシングルマザー。職業は(あまり売れていない)小説家。大学受験を控えた娘を見守る日々、娯楽好きの親友と楽しむカラオケやスーパー銭湯、忘れた頃に姿を見せる元夫、そして20代の男との間には恋が芽生えて!なんでもないような日常も、実はけっこう盛りだくさん。レジャーも、ラブも、人生も。「大人が楽しむ」物語
『三度目の恋 』
著:川上 弘美
ISBNコード:9784120053344 出版社:中央公論新社 判型:46 ページ数:400ページ 定価:1,700円(本体) 発売予定日:2020年09月23日
すべての女を虜にする魅力的な男、ナーちゃんと結婚したわたし。女性の影が消えない夫との暮らしの一方、わたしは夢のなかで別の女として生きることになる。あるときは江戸吉原の遊女、さらには遙か昔、平安の代の女房として、さまざまな愛を知り……。夢とうつつ、むかしと今のあわいをたゆたい、恋愛の深淵をのぞく傑作長編。
『始まりの木 』
著:夏川 草介
ISBNコード:9784093865913 出版社:小学館 判型:46 ページ数:320ページ 定価:1,600円(本体) 発売予定日:2020年09月25日
『神様のカルテ』著者、新たなステージへ!
「少しばかり不思議な話を書きました。
木と森と、空と大地と、ヒトの心の物語です」
–夏川草介
第一話 寄り道【主な舞台 青森県弘前市、嶽温泉、岩木山】
第二話 七色【主な舞台 京都府京都市(岩倉、鞍馬)、叡山電車】
第三話 始まりの木【主な舞台 長野県松本市、伊那谷】
第四話 同行二人【主な舞台 高知県宿毛市】
第五話 灯火【主な舞台 東京都文京区】
藤崎千佳は、東京にある国立東々大学の学生である。所属は文学部で、専攻は民俗学。指導教官である古屋神寺郎は、足が悪いことをものともせず日本国中にフィールドワークへ出かける、偏屈で優秀な民俗学者だ。古屋は北から南へ練り歩くフィールドワークを通して、“現代日本人の失ったもの”を藤崎に問いかけてゆく。学問と旅をめぐる、不思議な冒険が、始まる。
“旅の準備をしたまえ”
『らせん状想像力 平成デモクラシー文学論』
著:福嶋 亮大
ISBNコード:9784103535614 出版社:新潮社 判型:46 ページ数:280ページ 定価:2,400円(本体) 発売予定日:2020年09月28日
この30年、文学の現場では何が起こっていたのか? 俊英による歴史の更新! 平成年間、日本文学はグローバル商品として拡散する一方、インターネットの浸透により市場は収縮した。明治以来の制度が根本的な変容を迫られる中、「私」は異常化し、「世界」はディストピアに変わり、「言語」は世俗化され、作家たちの意識は迷宮化し渦を巻く……圧倒的なスピード感でテキストを読み抜いてゆく思考の冒険!
『文学について 』
著:ウンベルト・エーコ
翻訳:和田 忠彦
ISBNコード:9784000246569 出版社:岩波書店 判型:46 ページ数:484ページ 定価:4,600円(本体)発売予定日:2020年09月28日
幼少期から抱き続けた作家への夢を、小説『薔薇の名前』によって実現したエーコにとって、物語を書くことと、学術的な理論書を著すことは、どのような関係にあったのか。二〇〇〇年以降、批評と創作の双方に軸足を置きながら、自らの集大成に向けて歩み始めたエーコが、文学についての思索をまとめ上げた渾身の一冊。
『人間の土地へ 』
著:小松 由佳
ISBNコード:9784797673890 出版社:集英社インターナショナル 判型:46 ページ数:264ページ 定価:2,000円(本体)発売予定日:2020年09月25日
世界で最も困難な山、K2に日本人女性として初登頂した著者と、
今世紀最大の人道危機、シリア内戦に翻弄された沙漠の男。
平和な沙漠の民が内戦の大きな渦に巻き込まれていく様を
二人の目を通し、内側から描いたノンフィクション。
世界第2の高峰K2に日本人女性として初めて登頂した小松由佳。
標高8200メートルでビバークを余儀なくされた小松は、命からがら下山し、
自分が大きな時間の流れの中で生かされているにすぎないと知る。
シリア沙漠で出会った半遊牧民の男性、ラドワンと恋に落ち、やがて彼の大家族の一員として受け入れられる。
平和だったシリアにも「アラブの春」の波は訪れ、百頭のラクダと共に長閑に暮らしていた一家も、否応なく内戦に巻き込まれていく。
徴兵により政府軍兵士となったラドワンだが、同胞に銃は向けられないと軍を脱走し、難民となる。しかし安全を手にしたはずのヨルダンで、難民としての境遇に悩み、再び戦場であるシリアに自らの生きる意味を求めようとする。
小松とラドワンは、お互いの文化の壁に戸惑いながらも、明日の希望に向かって歩み続ける。
『モノも石も死者も生きている世界の民から人類学者が教わったこと 』
著:奥野 克巳
ISBNコード:9784750516615 出版社:亜紀書房 判型:46 定価:1,700円(本体)発売予定日:2020年09月25日
息苦しいこの世界からの出口は、ある。
片づけコンサルタント「こんまり」のメソッドは、
自分とモノとの純粋な対話ではなく、自分自身との対話を目指すものなのではないか。
アニミズムとは、地球や宇宙における存在者のうち、人間だけが必ずしも主人なのではないという考え方だとすれば、自分との対話を目指すのは、人間のことだけしか考えていないという意味で、真のアニミズムとは呼べないのではないか。
本書の出発点は、ここにある。
アニミズムは「原初の人間の心性」として過去のものとされてきた。
しかし、そこには、人間の精神を豊かにするヒントが隠されているのではないか。
文学、哲学の大胆な解釈とフィールド経験を縦横に織り合わせて、「人間的なるもの」の外へと通じるアニミズムの沃野を探検する。
人間が世界の「主人」をやめた時、動物、モノ、死者との対話がはじまる。
『スポーツ人類学 グローバリゼーションと身体』
著:ニコ・ベズニエ、スーザン・ブロウネル、トーマス・F・カーター
翻訳:川島浩平、石井昌幸、窪田暁、松岡秀明
ISBNコード:9784907986650 発行元出版社:共和国 扱い社:トランスビュー 判型:菊変形 ページ数:476ページ 価格:4,500円(本体) 発売予定日:2020年09月20日
人類学はスポーツとどのように切り結ぶのか? 東京オリンピックの延期/中止を前に、スポーツを文化的かつ体系的に考えるための1冊。われわれの日常生活に不可欠なスポーツをめぐって、蘭米英の研究者が、植民地主義、階級、ジェンダー/セックス、メガイベント、ジェントリフィケーション、ナショナリズムなどを切り口に豊富な実例とフィールドワークを駆使して分析し、「スポーツ人類学」を確立した画期的な著作。
『定点観測 新型コロナウイルスと日本社会 2020年前半
忘却させない。風化させない。』
編集:森達也
著:上野千鶴子・武田砂鉄 ほか
ISBNコード:9784846019518 出版社:論創社 判型:46 ページ数:376ページ 価格:1,800円(本体) 発売予定日:2020年09月21日
100年に一度と言われる感染症の蔓延に、日本の社会はどのように対応したのか、また対応しなかったのか。深刻な事態を風化させないために記録しよう、という共通の思いで、森達也のかけ声のもと、論者たちが集結した。
『迷宮 三大未解決事件と三つの怪事件 』
著:沖田臥竜
ISBNコード:9784866251356 出版社:サイゾー 判型:46 ページ数:192ページ 予価:1,300円(本体) 発売予定日:2020年09月24日
■迷宮入り事件の謎と真実に迫る■
多くの人の記憶にいまだ鮮明に残っているのではないだろうか。
残虐な手口で人々の命を奪うも、その後、犯人逮捕に至っていない平成に起きた三つの未解決事件「世田谷一家殺人事件」「八王子スーパーナンペイ事件」「柴又・女子大生放火殺人事件」。これらの事件解決のために、警察はどのような捜査をしたのか。犯人逮捕に至らなかった理由はなんなのか。現在、有力視されている犯人像とは。
さらに、いまだ報道されていない「自殺と判断された」不可解な男性の死。その後、妻に疑いの目は向けられたが、「ある事情」から、警察は捜査に二の足を踏むことになる。女性の背後に超大物の存在が見え隠れしだしたのだ。この「文京区変死事件」を初レポート。
また、16年のときを経て、驚愕の展開を経て「解決」をみた「足立区強盗殺人事件」。44人の死者を出した「歌舞伎町雑居ビル火災」。放火とおぼしきこの火災に結びつく、殺人事件とは。
膨大な資料と緻密な取材から浮かび上がった、それぞれの事件と犯人を結ぶ「点と線」。それらが結ばれたとき、事件の全体像、そして犯人像が見えてくる――。
『新橋パラダイス 駅前名物ビル残日録』
著・文・その他:村岡 俊也
ISBNコード:9784163912219 出版社:文藝春秋 判型:46 ページ数:224ページ 定価:1,600円(本体) 発売予定日:2020年09月14日
昭和最後の秘境は東京のど真ん中にあった!
サラリーマンの聖地であり、高度経済成長のシンボルでもあった新橋。なかでもそのランドマークが新橋駅前ビルとニュー新橋ビルだった。完成から50余年を経て、震度6強で倒壊の恐れがあると認定され、現在、駅前の再開発計画が進められている。
吞み屋、金券ショップ、寿司屋、ビーフン屋、中国マッサージ店……。東京のど真ん中にあって、昭和の懐かしさをいまなお色濃く残すディープなこのビルを楽しむ時間は多く残されていない。戦後の闇市から脈々と続く魅惑的なカオスの全貌とまだまだ知られていないビルの素顔を、そこで働く人々の証言をもとに多数の写真とともに伝える異色の探訪記。
一歩足を踏み入れると、迷路のようなビルの中は、アッと驚く楽園だった!
Photographer ©2021 往来堂書店